「残念な職場」、つまり、職場に活気がなく、社員も仕事していてもヤル気が今ひと つ無い職場。このような職場の管理職によく見られる「6大欠点」とは? 経営に とって当たり前ですが、本質的に会社が「活性化し続ける」ことが大事です。今回 は、「残念な職場」の管理職に共通する「6大欠点」について見ていきます。

「残念な職場」の管理職は埋没してしまっている

これまで数多くの企業で研修してきましたが、常に感じることの一つに「組織は 活性化し続けて行かなければならない」ということです。 「活性化し続ける職場」と「残念な職場」との違いは数多くあるが、最も顕著に顕 れているのが、部長や課長、係長といった管理職の本来の機能や力が発揮されてい ない点です。 「活性化し続ける職場」では、課長(中核社員)中心とするミドルの活躍がキラリ と光っていますが、「残念な職場」ほど、ミドルが埋没してしまっています。

「残念な職場」にはKSIな管理職が多い??

目の前の仕事をこなし、社内の調整業務を 巧みにさばき、役員などの上司を上手にいな す。一見仕事ができるように見えますが、何のチャレンジもしておらず、付加価値のある仕事 をしていません。そのような管理職たちばかり の会社だと、やがて衰退していきます。 一方で、「活性化し続ける職場」ではIKKな管理職が多数存在します。新たな挑戦や変 革が自分のミッションだと自覚して、最前線 で考え、工夫し、動き回っています。

「残念な職場」の管理職の欠点/その1:観察力がない

管理職の多くは会社の最前線で仕事をしています。つまり、現場に最も近い存在、 もしくは現場そのものにいます。 「活性化し続ける職場」の管理職は、いま現場で何が来ているのか、その事実や事象 をしっかりと捉え、顧客は何を望んでいるのか、あるいは競業他社はどう動くのかな ど、常に仮説を立てながら考えています。そのために、現場や顧客、競合他社をつぶ さに観察する力「観察力」を身につけています。これこそが最前線で仕事をする者 の特権であり、最大の強みです。

しかし、「残念な職場」の管理職は、往々にして、自分を取り巻く世界を観察する力がなく、現場にただいるだけで、上司の顔色ばかりを観察しています。 「現場にいる」ことと、「現場を観る」ことは同じではありません。「残念な職場」ほど、管理職に「観察する力」 が足りません。

「残念な職場」の管理職の欠点/その2:会社と同質化して跳ぶ力(ブレイクスルー力)がない

「活性化し続ける職場」の管理職ほど、「跳ぶ力」を持っています。別の言い方をす れば現状を打破する「ブレイクスルー」をする力です。 そもそも管理職に求められるのは、会社の常識や過去の延長線上にはない不連続か つ大胆な発想です。「活性化し続ける職場」の管理職ほど、現場で観察した気づきや ひらめきを仕事に活かし、新たな発想で新たな価値を生み出しています。 しかし、「残念な職場」の管理職ほど、会社に閉じこもり、会社の常識に染まり、 会社と同質化してしまいがちです。つまり「大胆な仮説」へと昇華する「跳ぶ力」が 決定的に足りません。

「残念な職場」の管理職の欠点/その3:伝える力がない

「残念な職場」の管理職見られる3つめの欠点は、部長や役員など自分の上司に対し て「伝える力」がないことです。 上司や抵抗勢力に「立ち向かう姿勢」が重要です。管理職はチームリーダーとして チームを動かすと同時に、上司である役員を説得し、理解と了承、支援を得なくては なりません。ユニークなアイデアやコンセプトを思いついても、それが相手に伝わ り、理解、共感されなければ、物事を前に進めることはできません。 「活性化し続ける職場」の管理職は「伝える力」を発揮し、説得力ある事実をちり ばめたストーリーをつくることができます。 しかしながら、「残念な職場」の「伝える力」のない管理職ほど、表層的な理屈 や自説を淡々と述べるだけで終わってしまっています。

「残念な職場」の管理職の欠点/その4:はみ出る力がない

「残念な職場」の管理職の足りない力は、「はみ出る力」がないことです。 この 「はみ出る力」は、創造や変革を行うときに必ず現れる”抵抗勢力”に立ち向かうときに不可欠な力です。 「活性化し続ける職場」の管理職は、この「はみ出る力」をフルに発揮して、組織内を縦横無尽に動き回ります。そうすることで創造や変革の妨げとなる”抵抗勢力”を” 味方”や”中立”に変えていくことができます。 しかし、「残念な職場」の管理職に限って、反対意見を恐れて、自分が直接関係する 部門から”はみ出よう”としません。狭い世界に閉じこもったままでは、創造も変革も 起こすことはできません。

「残念な職場」の管理職の欠点/その5:チームを束ねる力がない

「残念な職場」の管理職に見られるのは、部下の能力を見抜けず、課などの「チームを 束ねる力がないことです。部下の能力とヤル気は多様です。管理職は部下の一人ひとりの能力、特性を見抜き、 適材適所に配属して活かさなければなりません。 「活性化し続ける職場」の管理職には、「チームの力」を最大限に引き出すために、 部下を「束ねる力」があります。 ところが、「残念な職場」の管理職ほど、職場内での関係性も希薄で、ひとつのチー ムとして思いを共有することも、機能させることも十分にできていません。そのため、 チームはお互いの仕事に関心を持たず、一体感がなかなか生まれません。

「残念な職場」の管理職の欠点/その6:すぐあきらめて粘る力がない

最後の6つめの「残念な職場」の管理職の欠点は、「粘る力」がないことです。 「活性化し続ける職場」の管理職は、困難な問題に直面した際も決してあきらめるこ となく、最後まで粘ることができますが、「残念な職場」の管理職は「粘る力」がな いため、食らいつくこともなく、すぐにあきらめてしまいます。 部下は、一般的に管理職の行動を規範としています。「粘る力」がない管理職のも とでは、部下にも「粘る力」が育ちにくいため、”残念”な職場になっていきます。

管理職が変われば、「活性化し続ける職場」になれる

可能性を秘めている管理職たちに火をつけ、覚醒させることができるかどうか。「活 性化し続ける職場」へ再生するための”鍵”は、課長をはじめとした管理職の活性化にあ ります。課などのチームを率いる管理職こそが、「創造」と「変革」を推進する”エン ジン”でなくてはなりません。 会社の”エンジン”たるべき管理職に必要なのは、これらの「6大欠点」を克服し、「残 念な職場」から「活性化し続ける職場」へと変わることです。

今回は、「残念な職場の管理職に見られる6大欠点」をテーマに見て参りました。これは管理職に限ったことでは なく、新人から経営層のどの階層においても”変革(イノベーション)”は必要となります。個人や組織の「変革」の糸口 となる研修も様々な企業に提供しております。この機会に、自社の社員や組織の強みを発見(再発見)して見てはいかが でしょうか。

文責 株式会社HRラーニング・サーチ 仲本親司