ポルシェやフェラーリは会社名義で購入しても税務調査で否認されるというまことしやかな都市伝説があります。ポルシェを購入した後に、「こんな噂を聞きましたが大丈夫ですか?」というお問い合わせも何人もの方からいただきました。

このような高級外国車をお持ちの方の税務調査の立会いも経験しました。ガレージが玄関から丸見えで、固定資産台帳もじっくり見られ心情的には嫌でしたが、特に10百万円を超える車輛の事業性を認めないという主張は一切ありませんでした。事業用と非事業用の2台を所有されており、きちっと利用区分されていることを説明しました。

税法では、事業の用に供することができる乗用車の購入価額の上限を定めていないので、ポルシェやフェラーリでも事業の用に供している場合には何ら問題はありません。

過去の税務調査で一旦にフェラーリが次の理由から事業性なしと否認されました。

・その会社が同族会社であること(経営者の独断で高級車を購入できる)

・フェラーリはスポーツカーで娯楽性が高すぎる

納税者は税務署の決定に対して不服申し立てをし、国税不服審判所の非公開採決(平成7年10月12日)では、次の観点からフェラーリに事業性があるものとして覆しました。

・旅費精算書からフェラーリを事業の用に供していることが明白であること

・社長が個人で所有している高級外国車は他に3台あり、個人利用と区別していること

嗜好性の高い高級外国車を法人名義で所有する場合には、少なくとも個人名義と法人名義の乗用車を所有して、個人としての利用分を明白に区分する最低限の準備は必要といえます。


ポルシェ