思い入れから処分できない会員権

ゴルフ好きの方は、複数のゴルフ会員権を保有されています。中には、ゴルフプレーを辞めて年会費だけ年間10万円単位で負担されているケースもあります。何故年会費を負担されても保有されているのでしょう?
いろいろお話を伺うと、様々な思い出があって処分できない模様です。財産目録を作成して、会員権の処分をお奨めしますが、なかなかご同意をいただけないのがこのゴルフ会員権の特徴と言えます。

ゴルフ会員権の売却による経済的メリット

※一般的にゴルフ会員権は、購入時に比して評価額が下がっています。
 そもそも投資目的で購入された方々は、24年前のピーク時に売り抜けされているでしょう。ちなみに、ピークとなった1990年2月の平均相場は4388万円ですが、最安値となった03年6月は248万円まで下落しました。
※ところで、ゴルフ会員権の売却損は、他の所得との損益通算ができます。過去、この優遇策の廃止は何度か取り上げられましたが、いよいよ平成26年4月以降の譲渡から損益通算が認められなくなります。
※譲渡損失は次の算式で計算したものとなります。
  譲渡収入金額-(取得費+譲渡手数料)=譲渡損失
※不動産所得と年金所得だけの方も損益通算できます。利用予定のない会員権をご親族がお持ちの場合には至急この旨をお伝え下さい。
※ゴルフ会員権の売却は、ゴルフ会員権会社を通じて行いますが、買い手が見つかりませんと売却できません。早めに売却注文を出しましょう。
※ゴルフ会員権会社をご紹介させていただきますので、早めにお申し出ください。

ゴルフ会員権の売却手続き

※ゴルフ会員権をご自宅にご用意下さい。
※ゴルフ会員権販売会社の営業担当者と同行してご自宅へお邪魔します。
※売却代金は当日現金でお渡しします。
※売却代金の領収書は、平成27年の確定申告の添付資料となりますので大切に保管願います。
※ゴルフ会員権の売却手数料は、売買金額に応じて変動します。250万円の売却金額でも21,000円ですので決して高額ではありません。

損益通算廃止による会員権相場の行方

※3月までの売却を急がない方(損益通算を必要としない方)は、少しでも会員権の値上がった後に売却したいものです。
※損益通算を目的とした売却件数が減れば、値下がりが加速することはないでしょう。ただ、この4月以降の消費税改正による景気先行き不安からゴルフ会員権の取引量が細ることが想定されます。
※一方、年会費の負担は毎年発生しますので、値上がりを待つことによる経済的負担の増加は避けたいものです。
※ゴルフ場によって需給は異なりますので、4月以降個別にお問い合わせいただき、売買価格を見ながら売却時期を判断しましょう。

ゴルフ会員権の相続税評価額

① 取引相場のある会員権
※ゴルフ会員権の評価額は、取引相場の70%です。取引業者によって相場が異なりますので3社程度の平均金額を基準とします。
※取引金額に含まれない預託金があるときは、次に掲げる金額との合計金額によって評価します。
  イ)ゴルフクラブの規約等に基づいて課税時期に返還を受けることができる金額
  ロ)課税時期から一定の期間を経過した後に返還を受けることができる預託金の場合には、返還できる期間に応ずる基準年利率による福利現価の額によります。

② 取引相場のない会員権
※株主でなければゴルフクラブの会員となれない会員権は、株式として評価した金額となります。
※株主であり、かつ預託金を預託しなければ会員となれない会員権の場合は、株式と預託金を区分してそれぞれ次に掲げる金額の合計額によって評価します。
  株式の価額は上記の株式の評価方法、預託金は①のイまたはロの方法により計算した金額によります。
※預託金を預託しなければ会員となれない会員権は、①に準じます。