プレゼンテーション第3回目は、実際のプレゼンテーションの仕方について解説していきます。プレゼンテーションは”コミュニケーション”そのもので、そのコミュニケーションには複数のチャネル(伝わる経路)が存在します。

コミュニケーション・チャネル(伝わる経路)の分類

 コミュニケーションのチャネルには大きく分けて2つに分類されます。1つは「言語(バーバル)」ともう1つは「非言語(ノンバーバル)」です。

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第一印象を良くするために

 ”人は出会ってから4分のうちに、その人に関しての値踏みをする”と言われます。それだけに、第一印象はプレゼンテーションをする上で非常に重要です。米国の心理学者のアルバート・メラビアン博士は、話し手が聞き手に与える印象の大きさを下図のように説いています。

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これは「メラビアンの法則」と呼ばれています。コミュニケーションでは、話す言葉や話の内容、すなわち、言語(バーバル)が占める割合はわずか7%に過ぎません。一方で、声のトーンや話し方は38%、見た目やボディ・ランゲージなどはなんと55%となっており、これらの非言語(ノンバーバル)の要素で97%を占めています。つまり、プレゼンテーションの世界では、プレゼンテーションの内容も重要ですが、それ以上にビジュアルや話し方が重要なポイントとなります。しかし、何れも前号まで2回にわたってご紹介しましたように事前準備やトレーニングで十分対処することができます。それでは、具体的にプレゼンテーションの実施のポイントを解説していきましょう。

プレゼンテーション実施のポイント〈姿勢、アイコンタクト〉

姿勢は自然な姿勢(ナチュラル・スタンディング)に心掛けます。ポイントは次の3つで、1.背筋をのばすこと、2.手の位置は自然に、3.重心は体の中心に持ってくることです。 また 、プレゼンテーションでは、会場の聞き手の一人ひとりに話しかけるように進めていきます。アイコンタクトのポイントは、会場の後ろの人からジグザグに視線を移していきます。 しかも、”ワンセンテンス・ワンパーソン”と言われ、1文、「。」で一人の聞き手の目をしっかりと見ながら説明をしていきます。そうすることで自信を持って説明しているように聞き手の皆さんは感じます。そして、聞き手の中でしっかりうなずいて聞いてくれている『こっくりさん』を探しましょう。

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プレゼンテーション実施のポイント〈ビジュアルハンド〉

プレゼンテーションをする際、聞き手の聴覚だけでなく、視覚からも情報を発信していきます。政治家(特にアメリカ合衆国大統領選での候補者)の演説など見るとビジュアルハンド(身振り、手振り)を多様しているのが顕著に顕われています。

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プレゼンテーション実施のポイント〈声の大きさ、話すスピード、メリハリ〉

1.声の大きさ                              プレゼンテーションにおいて、 声の大きさはパワーやエネルギーの表れとして見られます。むやみに大きな声を張り上げる必要はありませんが、聞き手からしてパワフルに感じてもらえるだけのボリュームは維持しましょう。

2.話すスピード                             あまりに速すぎたりあまりに遅すぎるのは問題ですが、多少速いとか多少遅いくらいならば、プレゼンとしては問題ないです。ただし、話すスピードは話し手の印象を変えますので、自分の出したい印象に合わせてスピードをコントロールするという視点が必要でしょう。また、話すスピードを上げると知的なイメージが出しやすい一方、落ち着きがないと受け止められるリスクがあります。ゆっくり話すとどっしり落ち着いた印象を出しやすいのですが、シャープなイメージは出しにくいなど一長一短があります。

3.メリハリ
重要な箇所は、それ以外の箇所よりも大きな声でゆっくりと話す。少し表現を変えれば「重要な箇所は、重要っぽく話す」ということ。こうして強弱をつけて話すことによって、聞き手にとってわかりやすいプレゼンテーションになります。また、強調を使って話すことによって、聞き手からの印象も良くなります。重要な箇所と重要でない箇所で強弱がつくわけですから、話し方が単調になるのを防いでくれます。また、話している中の「、」や「。」に相当するところで、少し間をあける。この間を意識して話すのか、そうでないのかでプレゼンのわかりやすさや印象は大きく違ってきます。


今回で「プレゼンテーション」をテーマとした内容を終了する予定でしたが、内容が多かったため、次回もう一度「プレゼンテーション」の実施のポイントの続きと実施後の振返りの内容で解説させていただきます。