メガバンクは、かつて13行あった都市銀行が合併を重ねて収斂されました。地方銀行は、隣接する都道府県へ少しずつ店舗網を広げていましたが、救済的経営統合を除くと大きな変化はありませんでした。しかしながら、20年前から人口に対する銀行の数が多いオーバーバンキングが問題視され続けており、相次ぐ経営統合は、地方銀行の経営陣の危機意識が強まった結果と言えるでしょう。

さて、利用者としてのスタンスは、銀行業界がどのように動いても基本的には何も変わりません。法人としての銀行の利用方法は次の通りです。

  1. お客様からの入金口座としてメガバンクに口座を持ちます。
  2. メガバンクの選考条件は、第一に支店が近くに立地するという利便性、第二にネットバンクの手数料の安さとなります。経費や給与振込もメガバンクで行う場合には、ネットバンクの手数料が2千円台と圧倒的に安い三菱東京UFJ銀行をお奨めします。
  3. 融資窓口として地方銀行と信用金庫の2行、もしくは信用金庫2行と取引を継続します。 
  4. 昨今の銀行は、お客様のメインバンクであり続けることを重要視していません。逆に、複数の金融機関と取引することを歓迎しますので、利用者としても積極的に複数の銀行と付き合う方が望ましいと言えます。

都内には他府県の地方銀行の支店開設が増えています。もともと東京に本店を置く地方銀行は、規模も小さく法人取引としては心もとない部分がありました。その意味では、資金の出し手としては、本店が四国でも九州でも何ら問題ないので、選択肢が増えていると捉えています。これら地方銀行の渉外担当が訪問してきた際には、門前払いせずに取引を開始するに足るか否かを判断して損はありません。

ところで、銀行の担当者がなかなか事業内容を理解してくれない、昔と比べると銀行マンのレベルが下がっているのではないか、というご質問をしばしば承ります。銀行マンの取り扱う商品は、カードは勿論のこと、投資信託、生命保険と増える一方で、企業の成長を見据えた融資を自らじっくり考える時間を与えられていないのが実情です。当職が金融機関にいた15年前とはその負担は雲泥の差と言えます。銀行マンに求めることは、“こちらで作成した資金計画書を有利な条件で決裁してもらえるよう動いてもらうこと”です。勿論、『決裁されやすい事業計画書』の作成に際しましては、当職がお手伝いしますのでご安心下さい。

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