• 中国利上げ
  • G20
  • FOMC (米国連邦公開市場委員会)

上記のキーワードから最近の個人的な運用事情を踏まえてニュースを整理してみます。

中間選挙後の米国が与える影響

10月19日の中国利上げ、新興国があっけにとられたG7+G20の出来レース、そして世界が注目したFOMCとこの1ヶ月はイベントが相次ぎ、市場も上下に大きく振れる結果となりました。中間選挙では共和党が過半数を獲得し、米国も「ねじれ国会(議会)」の状態です。今後のオバマ政権による経済大国アメリカの動きは、経済はまだ脆弱でも益々注目されることになり、市場にとっては高ボラティリティがしばらく続くと予測されます。

FOMCが発する声

FOMCで明確になった事は、結局のところ、「追加緩和政策で国債を買いまくる」というものでした。これはどういう事か・・・つまり伝家の宝刀とも言うべき、中央銀行だけがなせる、あるいは国家だけがもつ、借金(国債)の棒引きです。米ドルを大量に刷り、市中の国債を購入して(国債価格上昇)結果的に市中に資金を放出するという方法です。国債を国に買い取ってもらう結果、金融機関に大量の資金が流れることになります。さて、その意図するところは、長期金利を下げ、金融機関に大量のドルを流し、企業や国民がドルを有効に(気軽に?)使える環境を整えることでしょう。これによって経済活性化、デフレ脱却をはかります。これは、かつての日本のお家芸に似た経済政策です。単純に「日本の真似」では決してありませんが、残念ながら当時の日本は資金を金融機関にばら撒いても、誰も借りる人や企業がいなかった為に目論む経済効果には即効性という点に欠けた節がありましたが、それでもある程度の時間が経過すると、じわりと効いてきました。ところが、ギリシャ問題が浮上し、一気に経済回復の腰が折れてしまうという事態になったのです。

今回のFOMCによって打ち出された方行性はあらかじめ予測されていたものの、政策効果として市場が評価するのはまだまだ先の話。何か大きなイベントがあれば日本のそれのように、途中で腰が折れ、また新たに世界の有識者が集まって方策を考える。。。歴史が繰り返されないことを切に願う次第です。

さて、今回のFOMCの出した結論で、為替に関わる今年の大きなイベント自体は無事通過したと思われます。無事に正月を迎えたいところですが、次に注目するべき内容はこの一連の動きに対する「解釈の違い」が表面化してくることでしょう。

例えば、特に日本では、

  • オバマ政権が中間選挙で大敗→ねじれ議会→円高、②米国の大規模金融緩和策→米国長期金利低

→円高、③材料出つくし→ドル買い安心感→円安、④長期金利低下→ドルキャリー→円安、などなど巷では、日本国民皆為替評論家達が議論を交わすこととなります。(為替市場はドルと円だけではありませんのでご注意を。)

ドルと円に関して言えば、私はやはりデフレの長期化から円はまだ買われる傾向が強いと思ってみています。これは市場のコンセンサスとはやや異なるような見方かもしれませんが、日本も金融緩和策を継続していることを考えれば、日米金利差が逆転する可能性は低いでしょうし、米国債大量保有国である、中国、日本が一連のドル安から、「ある程度の通貨分散が必要なのでは・・・」と感じているはずではないかと考えています。

(金子)