鎌倉宮の参道沿いの落ち着いた一軒家の暖簾をくぐると別世界が待っています。打ち水された小道の通りお店に入ります。1階は畳敷きのテーブル席、2階は2つの個室が用意されています。1階のテーブル席は、大きな窓から戸外の風景を楽しむことができます。

野菜は地元の旬の食材を、魚は逗子小坪・横須賀佐島を中心とした地物を選び、非常に細かな仕事が施されております。オーナーは東京吉兆にて10年以上に渡り修業しており、確かな技術と細やかな心遣をもってお客様をお迎えします。瑞泉寺や杉本寺を拝観した後に立ち寄られてはいかがでしょうか。  

屋   号:日本料理 鎌倉阿寓

住   所:鎌倉市二階堂93-25

営業時間:昼席11時30分~15時、夜席17時~22時(LO20時)

コース:4千円(昼席のみ)、6千円、8千円、12千円(夜席のみ)の4種類です。(ご予約をお願い致します)

電話番号:0467-25-3299

定休日:水曜日

アクセス:20番 鎌倉宮行き(終点下車)、36番 ハイランド行き(別れ路下車 徒歩3分)

鎌倉宮の参道というよりは住宅街に位置しており、暖簾や小さな行燈を見落としてしまいそうです。この先に別世界が待っています。

季節の八寸は、左上から時計回りに兜の器に五月和え(5種類の野菜の胡麻和え)、だし巻き卵、松風焼き、クルマエビのうま炊き、子持ち昆布、ヤングコーン、スナックエンドウ、シラウオ、ピーマンとえびしんじょ射込みの揚げ物、やまもも、鯛のちまき寿司です。右のガラス器は雲丹・アボガド・湯葉のおひたしです。

お椀は青森産の油目(関西での呼び方で、東日本ではアイナメを指します)とわかめです。オーナーが京料理の吉兆出身であるため、関西の呼び名が多いようです。

お造りは、左上から時計回りにイシダイ(逗子小坪)、イセエビ(逗子小坪)の黄卵のせ、サワラ(江の島)、アオリイカ(逗子小坪)、シマアジ(房州)です。アオリイカには細かな包丁が入っており甘さが増しています。

南部美人(岩手県二戸市)の純米吟醸酒で、地魚との相性は最高です。

揚げ物は、琵琶湖の稚鮎です。天然物は解禁が6月1日であるためこの時期は養殖ものしか出回りません。川魚独特の苦味が食欲をそそります。

炊き合わせは、南瓜・赤ピーマン・新じゃがいも・カリフラワーです。上品な味わいに堪能します。

2階の個室は4人掛けの椅子席です。隣の個室と繋げて14名程度の祝い膳を開くことができます。

もう一つの個室は8人掛けの椅子です。明治2年に鎌倉宮が創建された際の鎌倉宮鎮座祭行列を表した図です。

酔鯨(高知県高知市)の純米吟醸酒です。

小坪のたこを炊き込んだたこ飯です。この炊き込みご飯にもきちんとした仕事が施されています。

デザートは、パイン・メロン・グレープフルーツ・サクランボと梅ゼリー和え、わらび餅です。

暖簾の先の小宇宙は、客室まで続くおもてなしのプロローグです。ゆっくり流れる時間を楽しみます。

「阿寓」とは、「一番」という意味の「阿」と小さい家という意味の「寓」を合わせて、「小さいが味は一番の店」を意味するそうです。