小滝橋の会席料理会席“岸由”は、静かな佇まいでじっくりと話ができる料理店の一つです。3部屋の座敷とカウンター4席。特にゆったりした空間のカウンター席がお奨めです。鳴門の漁師さんから直接仕入れる魚は種類が豊富で愉しみの一つです。また、秘蔵の日本酒は、初めて耳にする銘柄が必ず含まれていますが、絶妙なペアリングは左党を強く惹きつけます。大晦日にはお節料理を持ち帰り、家族全員で楽しませていただきます。

屋  号;岸由(きしよし)

住  所:中野区東中野5-25-6(東西線落合駅より徒歩7分)

電話番号:03-3360-5736

営業時間:12時~13時半(月~金)、18時~20時(LO

定  休 日:日曜日

【プロローグ】 ランチは魚料理と複数の小鉢で構成されており、女性客が殺到します。ランチですら予約が不可避です。

【先付】 左上から時計周りにツブ貝、自家製唐墨、稚鮎の南蛮漬け、車海老の鬼柄揚げ、車海老の手毬寿司。

【日本酒のお品書き】 白鷹(灘)、宗玄(能登)、諏訪泉(鳥取)、悦凱陣(琴平)、秋鹿(大阪)、長珍(愛知)、隆(神奈川)。大将の日本酒へのこだわりは“岸由”の魅力の一つです。これ以外の裏メニューをいかに引き出せるかが左党の力量といえます。

【風の森】 奈良県御所市の油長酒造による無濾過無加水で、炭酸ガスが溶剤しています。仕込水はミネラルを多く含んだ金剛葛城山系深層地下水です。しっかりした味わいですが、料理をきちんと引立てる了見を持ち合わせています。

【お椀】 能登の(アラ)と椎茸とそうめんのお椀。の出汁と日本酒との相性の良さ、おいしゅうございます。

【名脇役】 左党にとって徳利や猪口は酒の美味さを引立てる名脇役です。

【秋鹿 霙もよう】 大阪府茨木市のたかま酒店による活性にごり生原酒。喉元を通るオリ成分と活性ガスとの折り合いが絶妙です。

【お造り】 大好物のしんこ。お造り(、白烏賊、雲丹)の写真は何を勘違いしたか残念ながら取り忘れました。

【焼き物】 (アラ)の焼き物。しっかりした歯応えと良質の脂。

【佇まい】 カウンター席の後ろに位置します。落ち着いた空間を作り出しています。

【悦凱陣(よろこびがいじん) 純米無濾過生原酒】 香川県仲多度郡琴平町の丸尾本店による銘酒。香川県の酒米専用品種であるオオセトを使用しています。

【煮物】 マダコの小豆煮で、桜煮とも呼びます。酒、醤油、黒糖で3時間も煮るそうです。太い足も柔らかくなっており、生姜が旨味を引立てます。生姜茄子と湯葉は小豆と一緒にいただくと別のお料理のようです。日本酒との相性も抜群です。この時点でもはや酔っていました。

【本日のご飯】 鮎ご飯です。焼いた小さ目の鮎を頭からいただきます。鮎がどんな料理で出てくるのか楽しみでしたが、このような形は想定外でした。

【水菓子】 夏の暑さには涼を呼ぶ水菓子が嬉しいです。

【エピローグ】 袖看板や立て看板がないので、お店を見失いがちです。暖簾の向こうの異空間はどんな料理が待っているのでしょうか。