プレゼンテーションの最終回は、前回の実際のプレゼンテーションの仕方について の続きとプレゼンテーション実施後の振返り方法について解説していきます。
Head-Body-Legs
はっきりとした話し方は「話し始め」と「話し終わり」にポイントを持ってきます。ま た、話しのポイントにナンバリングをすることで聞き手の頭の中に整理されて情報が入っ ていき、分かり易いプレゼンテーションとなります。
クラリティとグラウンディング
聞き手がプレゼンテーションの内容に興味を示すことが重要になります。そのためにここ では「クラリティ」と「グラウンディング」の2つの手法をご紹介しましょう。 クラリティとはプレゼンテーションの内容に「明確性」と「明解性」を与え、グラウンディ ングは「有用性」と「納得性」を与えます。この2つをバランス良く組み合わせることで話 を正確に伝え、納得性を持たせ活力を与えることができます。
質問方法
効果的な質問をすることで聞き手と一方通行でなく、双方向のコミュニケーションを図る ことができます。質問方法のポイントは2つ。1つは“誰”を対象として質問をしているのか、 もう1つは、“回答”の仕方です。
質問への対応
『聞き手』からの質問に対する対応も一定の手順があり、こちらも丁寧に対応することでプレゼンテーションする人の信頼度が高まります。基本的な手順は次の通りです。
1. 質問者からの質問をきちんと聴く(質問の意図や背景を汲取る)。
2. 質問の内容を理解する(曖昧であれば質問者に確認)。
例:今のご質問は少し確認させて頂きます。ご質問の内容は○○○○・・・ということで宜しかったでしょうか?
3. 質問を全体に共有する(質問内容が全体に聞こえていないことを回避)。
例:今、〇〇様から頂きましたご質問はこのようなご質問でした。△△△という点に関してどのように 理解したら良いのでしょうか。アドバイスがあれば教えて頂きたいという内容でした。
4. 質問者に質問していただいたこと、質問の内容について褒める。
例:〇〇さん、ご質問いただき、ありがとうございました。とても着眼点の良い素晴らしいご質問です。
5. 質問に対して的確に回答する。
6. 回答した内容で理解、納得できたか質問者に確認をする。
例:〇〇様、今の回答でご理解頂けましたでしょうか? ご質問頂きましたこと改めてありがとうございました。
プレゼンテーション時のビジュアルエイド(視覚資料)
プレゼンテーションをする際、聞き手の理解を促進するために聴覚だけでなく、視覚からも情報を発信していきます。前回の「感・即・動 Vol.6」では プレゼンターの身振り・手振りでの視覚情報発信でしたが、ここではビジュア ルエイドと呼ばれる視覚資料を言います。つまり、プロジェクター等で投影し たパワーポイントなどの資料や手元に配布する資料を指しています。また、ホ ワイトボードでの板書もそれに当たります。 このビジュアルエイド(視覚資料)も非常に重要です。プレゼンテーションの構成に連動して作成されているか どうか、フォントの大きさは会場の大きさに配慮されているかどうかや飽きさせない工夫、たとえば、アニメー ション機能を多用できているかなどもプレゼンテーションの成否を左右します。
プレゼンテーション実施後の振り返り
プレゼンテーションが終了するとホッとするものです。しかし、大切なのは実施後の振り返りです。
次のプレゼンテーションのために次の3つの側面から 振り返ると良いでしょう。
1. プレゼンテーションをした自分自身について
2. 参加者について
3. プレゼンテーションの内容について
4回にわたり、「プレゼンテーションの知識」について解説してきました。「プレゼンテーション」の成功の鍵は準備に掛かって います。準備において”そこそこ”やるか、それとも”そこまで”やるか。プレゼンテーションにおいては、ぜひ、”そこまで”やるかの 精神で準備することが良いプレゼンテーションとなることでしょう。