「私の履歴書」は日本経済新聞朝刊の文化面に掲載されている連載物です。日経新聞をきちんと読むようと大学入学時に父から言われ、スポーツ面と「私の履歴書」から読み始めました。実際のところ毎朝読む習慣がついたのは社会人になってから。特に電機業界・精密機器の経営者によるものは目を皿のようにして追いました。カシオ計算機の入社当時の社長の記事は、銀行へ転職した後にさまざまな思いを重ねて読みました。税理士として独立してからは電機業界や金融界以外の上場企業の歴史を垣間見させていただく貴重な機会として欠かさず読み続けています。歌舞伎俳優・作家・陶芸家・作曲家の方々の歩みにつきましては、これからの自分に少しでも良い影響があればと読み進めます。

さて、「私の履歴書」のバックナンバーを日経新聞電子版で読むことができます。若い世代の経営者の方々には先人の労苦を間接体験することができます。就職活動中の学生諸君は、志望する企業や業界を正面から見られる材料となります。直近では東京エレクトロンの東哲郎元社長のご経歴が特に強く印象に残りました。米国の世界一の半導体製造装置会社との経営統合が米国政府から否認された経済事件を改めて確認しました。「私の履歴書」は優れた経営者を追うことができる最良の教科書の一つです。

≪コルドバ メスキータ≫

「メスキータ」とは、スペイン語でモスクを意味し、スペインに現存する唯一の大モスクです。785年にイスラム教のモスクとして建設され、その後カスティーリャ王国がコルドバを征服すると1236年から内部に礼拝堂が設けられ、16世紀には聖マリア大聖堂が新設されてイスラム教とキリスト教とが同居する珍しい建築物となりました。

【礼拝の間】 メリダにあるローマの水道橋を参考とした2重アーチは、赤いレンガと白の石灰石を交互に楔状に配しています。

【ミフラーブ(聖龕せいがん)】 礼拝の間にはメッカのカーバ神殿の方向を指し示す壁が正面にあり、目印となる「ミフラーブ」と呼ぶ小さな窪みが設けられています。

【マスクーラ(貴賓席)の上部のキューポラ(天蓋)】 王が礼拝するマスクーラの上部のキューポラは、正方形に組まれたアーチを45度の角度で回転複写させた星形です。

【大聖堂の宗教画】

【マヨール礼拝堂】 完成まで250年を費やしたため、同じ空間の中にルネッサンス様式とゴシック様式が混在しています。

【聖歌隊席と祭壇背後の飾り壁】 下の黒い部分は1748年ペドロ・ドウケ・コルネホによる聖歌隊席の彫刻。奥はアントニオ・パルミーノによる祭壇背後の飾り壁です。

【聖歌隊席の上段のパイプオルガン】 左右にパイプオルガンが配置されています。

【マヨール礼拝堂の上部の宗教画】

【アルハケム2世による増築部分】

【鐘楼】 モスク時代はイスラム教寺院のミナレットとして、現在は大聖堂の鐘楼として街を見下ろします。