(1)自己株式(自社株式)とは?

自己株式とは、株式会社が有する自己の株式です。企業が発行した自己の株式を発行後に企業自身が取得・保有する株式を指します。英語では「Treasury Share」や「Treasury Stock」と呼ぶことから「金庫株」という表現も使われます。

会計処理は次の通り行われます。 【借方】自己株式  【貸方】普通預金

決算書の表記は、純資産の部の株主資本を構成し、利益剰余金の下に自己株式として独立科目表示します。

(2)自己株式(自社株式)の取得目的とは?

自己株式取得の主たる目的は次の通りです。

  • 事業承継対策

事業を承継する者は、相続した株式に対して相続税が課されます。課される税額が巨額で、手元資金で相続税を捻出できない場合は、会社が自己株式として買い入れし、その資金をもって相続税の納税資金に充当します。

  • 少数株主からの買戻し請求

株式を保有していた個人が、相続や贈与等で株式を譲り渡すことがあります。企業としては、少数株主を整理するメリットがあります。

  • 経営基盤の安定化

中小企業の場合、定款で株式の譲渡制限を設けているため、第三者が株式を買い占め、企業を乗っ取ることは起こりえません。ただ、オーナー一族が株式を分散所有することがあります。自己株式を会社が所有することで株式の分散を防ぐことができます。

  • 株主への利益還元

  自己株式は、1株当たりの利益金額の計算上、ゼロとして取り扱います。お金を払い戻すという点では、株主への配当金を支払うことと同じで、株主への利益還元策として用いられることがあります。

(3)自己株式のデメリット

自己株式のデメリットは、会社の資金が社外流出し、資金繰りを悪化させる要因になる可能性があります。

(4)自己株式の上限規制

会社法は、株主保護の観点から自己株式について、一定の所得制限(=分配可能利益額)を設けており、これを「財源規制」と呼びます。「分配可能利益額」とは、純資産の部から分配が禁じられている「資本金」「資本準備金」を除いた金額で、「その他資本剰余金」と「その他利益剰余金」の合計金額となります。

(5)株式の買取価格

株式の買取価格は、売主の保有株数によって異なります。保有比率が5%未満で、かつ発行会社の役員でなければ、配当還元方式による株価となります。保有比率は5%以上の場合は、純資産評価額や類似比準業種価格等により評価します。これらの価格を超えたり低下したりすると、所得税や法人税が課される場合があります。株価算出に際してはご相談下さい。

【真田家の菩提寺(松代町)】

長野県松代町の「長國寺」は松代藩主真田家の菩提寺です。初代藩主信之により1622年に建立されました。信之は4代将軍家綱まで仕えた重鎮であったことから、国替えが行われませんでした。このため菩提寺建ちには歴代藩主の墓所が建ち並びます。松代城址と同様真田家を忍ぶことができる史跡です。

【表門】

【真田山長國寺】

【本堂】 現在の本堂は明治19年に再建されたものです。

【4代真田信弘公御霊屋】 江戸時代に5棟の御霊屋(おたまや)が建築され、3棟が現存しています。最も美しい信之霊屋は改修工事で撮影不可能でした。

【家紋】 六文銭の家紋が際立ちます。

【信繁(幸村)と信昌の供養碑】 徳川家と敵対した幸村親子ゆかりの碑を建てることは無理であったので、大正3年に11代当主真田幸正によって建立されました。

【歴代藩主の墓所】 13代当主までの供養塔が立ち並びます。

【鯱鉾】 明治の廃城に際して、海津城の1m超の鯱鉾を長国寺に移設したそうで、全国でも珍しい建築物。