問題を抱えて解決の糸口が見いだせなかったり、方向性を見失ったり、なかなか悩みを解消できない時は、先人の知恵を頼りがちになります。論語は、物事の本質を突いているので自分の足元の危うさを示してくれます。
(1)学びて思わざれば則ち罔(くら)し、思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し。
①原文:『学而不思則罔、思而不学則殆』
②直訳:広く他人の説や解釈を学ぶだけで自分なりに考えを理解しなければ、何も身に付かず、自分なりに考えるだけで他人の説を学ばなければ独断偏向に陥り危ういものになる。
③解説:真の学習とは、「広く学ぶこと」と「自身で考えること」の両方ができて初めて達成される
(2)冉求(ぜんきゅう)曰く、「子の道を説(よろこ)ばざるに非ず。力足らざるなり。」子曰く、「力の足らざる者は、中道にして廃す。今女(なんじ)は画(かぎ)れり」
①原文:『冉求曰「非不説子之道。力不足也。」子曰、「力不足者、中道而廃。今女画」』
②直訳:弟子の冉求が言った。「先生の説かれる道に心を惹かれないのではありません。ただ、私の力が足りず実践することができません」と。すると、孔子がおっしゃった。「力がたりないかどうかは限界まで力が足りなければ中途で諦めるだけだ。おまえは始める前から自分の力に見切りを付けているがそれがいけない。」
③解説:才能を言い訳に努力ができないと言い訳している人は、ひとまずやれるところまで頑張ってみることが大事である。
(3)子曰く、「学は及ばざるが如くせよ。猶、之を失わんことを恐れよ。」
①原文:『子曰、「学如不及、猶恐失之。」』
②直訳:学びとは、常に十分ではないと思うようにすべきである。しかも、得た学びを失わないか常に恐れて復習すべきである。
③解説:ある程度学ぶと自分は賢いと調子に乗ってしまい、努力を怠ってしまう。人間はすぐに忘れてしまうため、面倒であるが定着するまで繰り返し復習する必要がある。
(4)之を知る者は、之を好む者に如かず。之を好む者は、之を楽しむ者に如かず。
①原文:知之者不如好之者、好之者不如楽之者
②直訳:物事を単に学んで知っているだけの人は、好きで学んでいる人に敵わないし、好きで学んでいる人は、楽しみながら学んでいる人には敵わない。
③解説:学習や仕事は楽しむことを忘れてはならない。「やらされている」「言われているからとりあえずやる」では上達しない。
(5)学べば則ち固ならず。
①原文:学則不固。
②直訳:学びを深めれば、考え方が固定的ではなく柔軟となり、視野が広がって偏見が減る。
③解説:差別や偏見に基づいた発言をした経験はありますか?ないと答えた方はそれに気づいていないだけです!
(6)道に聴きて塗に徳は、徳を之棄つるなり。
①原文:子曰、「道聴而塗説、徳之棄也。」
②直訳:先生がおっしゃるには、「道端で聞きかじったことを、またすぐに道端で他者へ伝えることは道徳を失ってしまうことになる。」と
③少し聞きかじっただけで知ったかぶりすることは恥ずかしい。
(7)人の己を知らざるを患えず、人を知らざるを患う。
①原文:子曰、「不患人之不己知、患己不知人也。」
②直訳:先生がおっしゃるには、「他人が己の価値を知らないことを憂うのではなく、他人の価値を知らないことを憂うべきである。」
③解説:自分の頑張りを認めて欲しい気持ちが強すぎて、他者の気遣いや頑張りを見つけて評価できていないことはないか?
≪海中鳥居(佐賀県藤津郡太良町多良)≫ 太良町の有明海には3基の海中鳥居があります。約300年前島に置き去りにされた代官が大魚に救われ、感激した代官が魚の名をとって「大魚神社」を建立し、岸から約200メートルの海中にも鳥居を建てたと言われています。潮の状態により大きく異なる風景となる点も特筆されます。

【夕刻で干潮の鳥居①】強風が吹く中で10分撮影しましたが、その直後に猛烈な風雨が襲いました。

【夕刻で干潮の鳥居②】想定した風景とは正反対のものと出くわしました。

【大魚神社①】翌朝は見事に晴れ上がりました。

【大魚神社②】鳥居は見事ですが、本殿は見る影もありません。

【潮の満ちた鳥居①】向こう岸は熊本県です。

【潮の満ちた鳥居②】鷺たちがのんびり日向ぼっこ。

【潮の満ちた鳥居③】ようやく意図していた風景を収めることができました。