昨年一昨年に続き、平成27度補正予算案として小規模事業者の販路拡大のために、HPや販売促進物の制作費のうち2/3(50万円を上限)とする補助金が用意されています。毎年交付決定は2月下旬ですが、申請期間が決定通知日から約1ケ月と短いので、予め次の通り準備されることをご提案します。
(1)申請対象となる法人又は事業主
商業とサービス業は、常時雇用する従業員が5名以下であること。サービス業のうち、宿泊業及び娯楽業とその他の業種(製造業や建設業等)は20名以下であることが要件となります。会社役員(使用兼務役員は従業員として取り扱います)と個人事業主本人は含まないものとします。法人と個人事業のいずれも対象となります。
正規従業員の労働時間が4分の3以下であるパート従業員は、常時雇用従業員には含めません。
(2)対象となる費用
①新しい顧客層を獲得するためのチラシやパンフレットの制作、配布費用、HP制作費
なお、チラシや印刷物の未配布・未使用分は対象となりませんので、報告時に実地棚卸を行う必要があります。
②展示会や商談会の出展費用
販売のみを目的とし販路開拓に繋がらないものは、補助対象となりません。
③集客力を高めるための店舗改装費用
④看板の新設や増設
⑤商品パッケージ、包装紙、ラッピングの変更に係る費用
⑥省スペース化のためのショーケース、生産性向上のための調理機器・冷凍冷蔵庫、試作機械。汎用性のあるPCは対象となりません。
固定資産に該当するものは単価が50万円未満のものに限ります。
(3)事業計画
補助金を受けて販路拡大策を打ち、その効果が業績にどのように反映するかを示す『経営計画書』を作成します。計画書を作成した上で、商工会議所により内容確認作業を受けます。
経営計画書の記載事項は、次の通りです。
①御社のビジネス特性(チャームポイント)
②販売促進策の導入の目的
③売上上位5つの商品、利益率が高い上位5つの商品やサービス
④お客様のニーズと市場動向(他社の動き)
⑤経営方針と目標
⑥今後の事業展開
⑦補助金でどのような販売促進策を打つのか、具体策と他社との差別化についての説明
⑧販売促進策によってもたらされる効果(売上増加、利益率改善、新商品開発等)
⑨販売促進策にかかる経費の明細(広報費・展示会出展費用・開発費・旅費・資料購入費・レンタル費・専門家謝金・専門家旅費・外注費等)の内訳
これらを所定の用紙へ記入して、内容を纏めた上で商工会議所に提出します。発注先から見積書の交付を受けることも事前に行います。
(4)補助事業の実施期間
経費は承認された日から約4ケ月の期間で消費する必要があります。平成28年分の日程は次の通りで、一昨年は2次 申請、昨年は3次申請まで可能で、いわゆる敗者復活が認められていましたが、今年は1発勝負となりました。
平成28年 02月26日 受付開始
平成28年05月13日 申請書提出期限
平成28年07月上旬 採択結果公表
平成28年11月30日 実施期限
平成28年11月10日 実績報告書最終期限
(5)提出書類
※申請時
①『小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書』
②『経営計画書』
③『補助事業計画書』
④『事業支援計画書』(様式4)
→依頼に基づき商工会議所が作成します。
※報告時
①『補助事業実績報告書』
②『補助事業実績報告』
③『補助事業実績報告書(支出明細書)』
④『補助事業実績報告書(収支事業)』
⑤『補助事業精算払請求書』
⑥『消費税確定報告書』
(6)添付書類
①法人
直前1期分の『決算書』
なお、会社設立1期目の場合には、『決算書』に代えて『開業届』を提出します。
『現在事項全部証明書』(交付後3ケ月以内のもの)
②個人
直前期の『確定申告書』
なお、個人事業1期目の場合には、『確定申告書』に代えて『開業届』を提出します。
(7)留意事項
①提出時期
補助金や助成金の申請は、提出期限1週間前に提出が集中するので、早めの申請が肝要です。特に、商工会議所による『事業支援計画書』(様式4)の作成後に正式な申請となるので、締切日に提出しても受理してもらえません。
②説明の仕方
商工会議所の担当者は、基本的に御社の事業内容や業種に関する知識を有していません。従って、事業内容・他社の動向・優位性・業界の問題点・差別化のポイントといった販売促進策の勘所は、誰でも理解できる言葉を使用しなければなりません。
適切な言葉が浮かばない時は、当職にご連絡いただき一刻も早く計画書を完成させましょう。仮に、当職が校正をお引き受けしても、一定の時間を要しますので早めの準備が必須となります。
③経費の支払時期
採択が決定されると、商工会議所の補助金事務局から採択者に対して、『採択通知書』が交付され、その後交付対象としての事業実施を正式に認める『補助金交付決定通知書』が送付されます。経費の発注・契約・支払行為は、『補助金交付決定通知書』の受領をもって可能となります。到着前の発注・契約・支払行為は、補助対象外となりますので、十分注意してください。
④『補助金交付決定通知書』に記載した交付金額より補助金が少なくなる場合
『実績報告書』の確認時に、支出内容に補助対象外経費が計上されていることが判明した場合には、当該支出を除いて補助対象経費を産出されるので補助金は減額されます。
⑤補助事業の内容等を変更する場合
補助事業の内容または経費の配分を変更する場合には、補助事業の交付の目的に沿った範囲内で『変更承認申請書』を提出し、その承認を得なければなりません。
⑥補助事業関係書類の保存期間は5年間
補助金申請書類は、会計検査院から提示を求められる可能性があり5年間の保存義務があります。
(8)連年申請の可否
毎年申請することは可能です。但し、前年以前の補助事業がどのように進捗しているか報告が求められています。
(9)補助金に係る商工会議所主催の説明会
基本的にこの補助金制度は、商工会議所の指導を前提としており、各地域の商工会議所が講習会を開催して『経営計画書』の作成方法の指導を行います。開催時期はばらつきがありますので、事業所所在の商工会議所又は商工会のHPでご確認願います。
(10)商工会議所担当部署
小規模事業者持続化補助金事務局の連絡先は次の通りです。
電話:03-6434-7421
FAX:03-6434-7422
また、申請に関するFAQは下記資料をご査証下さい。