痴呆により財産管理能力がなくなり、成年後見人を任命するケースが非常に増えています。痴呆の程度が重度である全ての方が対象となる訳ではありませんが、次のような状況では、後見人を必要とします。
①ご本人名義または共有名義の不動産を売却する場合
②有価証券を多数保有しており、売却して換金化を要する場合
③配偶者やご兄弟の相続人となった場合
④預貯金の解約を要する場合
⑤悪徳商法や詐欺事件に巻き込まれないよう備えざるを得ない場合
成年後見人制度は2000年に開始され、ご家族が成年後見人に指名されるケースが9割を超えます。身辺の介護と財産管理と負担が非常に大きい一方で、財産管理上の問題も後を絶たず、家庭裁判所も財産管理については年々管理体制を強化しています。預貯金の残高が50百万円を超える場合や、居住用不動産以外の不動産を保有して、これを将来介護資金に充当する予定である場合には、成年後見人として財産管理能力を問われることもあります。この場合、家庭裁判所は、成年後見人の財産管理を補佐するため、登録している弁護士の中から後見監督人を指名して事故がないよう備えます。
成年後見人は、従来通り財産管理を行い、これを後見監督人へ報告を行います。勿論、後見監督人への報酬も支払うこととなるので、最初から弁護士や税理士を成年後見人に指名した方が手間いらずとなるケースもある模様です。