正眼寺は、箱根湯本の旧道に位置する臨済宗大徳寺派の寺院です。養和元年(1181)に自動堂として建立されたことが前身で、箱根越えの無事を願った人々の地蔵信仰に端を発したものといわれています。

歌舞伎の演目でも有名な曽我兄弟に関係するものが多く残っていることで有名です。曽我十郎、五郎の兄弟は、建久4年(1193)亡父河津三郎祐秦の敵、工藤祐経を討って宿年の思いを果たしました。

正眼寺は、一時期荒廃しましたが、寛永3年(1626)に早雲寺17世菊径宗存の開山で再興されました。慶応4年(1868)の箱根戊辰戦争で旧幕府軍の遊撃隊によって創建時の地蔵堂、曽我堂共に焼失し、現在の寺は昭和初期に再建されました。 

境内には足湯も設置されており、ゆっくり寛ぐことができます。

歌舞伎がお好きな方や寺院に興味のある方は、早雲寺とともに是非お立ち寄り下さい。

比較的新しいもののようです。本堂からお経が聞こえます。

高さ3m近くに達する地蔵尊です。背景の蜜柑の数がもう少し数が多ければよかったのですが。春には枝垂桜が美しい境内です。

かえでが最後の姿を見せています。奥の建物は曽我十郎・五郎を弔う曽我堂です。この風情から箱根湯本を連想できる方はかなりの通です。

鎌倉中期に製作された2体の木造地蔵菩薩立像が安置されており、秋の彼岸中(9月20日から26日まで)に公開されています。

本堂は明治37年頃に建てられた実業家今村繁三氏の別荘を昭和7年に移築したもので、国の登録有形文化財に指定されています。

冬の陽が当る地蔵尊です。