• 日銀の為替介入
  • 金融緩和政策
  • 進む円高
  • グローバルで起こる自国通貨安競争

上記のキーワードから最近の個人的な運用事情を踏まえてニュースを整理してみます。

通貨安競争に走る主要国経済

6年半ぶりの為替介入効果も数日で解消され、介入時レベルをあっさりと割りこむほど今の円高局面は歯止めが利かないようです。海外要人の発言を比較しても、日本、欧州、米国の中でも、特に日本のそれは世界への影響力が低いことを実感します。何か発言がされるたびに面白いようにドルが叩き売られる・・・それも発言直後に。(むしろ野田さんは黙っていた方が円高抑制に繋がるのでは。。。)約2兆円の介入資金も全て損失に転じ、本邦での更なる金融緩和もFRBの追加緩和策報道により一瞬にして効果を疑問視する声がでています。つまり、円が強いのではなく米ドルが弱すぎる事が原因で米国を震源地とした各国の通貨安競争が激化していると言えるでしょう。「世界経済の復興は輸出頼み」ということです。懸念される次の日本の介入に、釘をさす発言がされるあたりは、そもそも国際協調の場であるG7・G20があまり機能しておらず、背に腹は代えられないという各国事情が伺えます。

米国では借金をする人が減少している

さて、ここまで米ドルが弱くなる要因は何か?もちろん米国経済が弱いことが主因です。相次いで発表される経済指標が予想よりも悪く、指標データが裏付けとなって経済の脆弱さを露呈しています。一方で、米国でのローン残高が減少していることも見逃せません。ドルの借り手が極端に減ってきているようです。これは通貨市場でいうところの、キャリートレードが・・・などと小難しいことでかたずけるのではなく、一般的な話で考えれば簡単に説明がつきます。家計の悪化から消費行動が抑えられるために借金をする人が減るのです。一言でいえば、「デフレ」が原因なのですね。デフレでは貨幣価値が下がりますので、実質的なローン金利は高くなることを意味します。今まで借りていた住宅ローンもデフレが進んだことで、返済が厳しくなり、いくら返済をしても借金が減らないと感じます。結果的にお金を借りる人が少なくなるので、益々金利は上がらなくなってしまうと考えらるのです。

ゼロ金利政策で円高は止まるのか

円高に歯止めをかける目的から「ゼロ金利政策」を復活させ、日米金利差を拡大させた効果は未だ見えず、益々円高が継続しています。米国も日本も「デフレ」であるため、金利上昇局面は当分ないものの、この事は日本のデフレが他国よりも深刻であることを意味します。日本のデフレ進行が改善されない限り、円安に振れてくる局面も当分先のように思えてなりません。

(Kaneco Consulting Firm)