お玉ケ池は、東海道の八丁坂から六道地蔵へ通じる脇道の途中に位置します。元禄15年(1702年)にお玉という10代の少女が江戸の奉公先の家から伊豆の大瀬村の実家へ逃げ帰ろうとしましたが、関所手形を持っていなかったため箱根関を通ることができませんでした。そこで関を通らずに周囲の山にあった柵を通って関所破りをしようとしましたが、番人に捕まり裏山である屏風山に踏み入った坂のところで処刑され、この池でお玉の首を洗ったといわれています。いつのころからか「お玉ケ池」と呼ばれるようになりました。南側は木道があり散策が可能です。どこか寂しさを感ずるのは、この言い伝えのせいでしょうか?  

行き先:元箱根港行き(畑宿経由)

乗車バス亭:箱根湯本駅

下車バス亭:お玉ケ池

 精進池(しょうじんがいけ)は、箱根駅伝5区の沿道沿いに位置します。ただ、池が道路からかなり低い位置にあるため駅伝中継で映されることはありません。精進池の名の由来は、大蛇から村を守った庄治という若者の名前から「庄治が池」と名付けられましたが、いつのまにか「精進池」と呼ばれるようになったという言い伝えによります。精進池はイノシシが出没するため周回道路の半分は閉鎖されています。自動車の通る音すら気にならない静かな佇まいです。

行き先:箱根町港行き(宮ノ下経由)

乗車バス亭:箱根湯本駅

下車バス亭:六道地蔵

写真からは見難いですが、1円玉が多数光っています。お賽銭が置かれているのは、お玉の霊を慰めるためでしょう。その意味では珍しい石碑と言えます。

箱根の森の遊歩道に沿って下ると木々の間からお玉ケ池が見えてきます。下草が枯れているせいもありますが、箱根のイメージからはほど遠い風景です。荒涼とした風情も楽しめます。

南側の木道から見たお玉ケ池です。雨が多い時期は水面が1m程度上がるようです。

国道1号線から一段下の位置から捉えた精進池です。画面の左手奥には雪が残っており、山中であることを改めて感じました。池の右手の畔に石仏群が広がります。

地図の上段の池が精進池で、この池から200m程度北が石仏群です。お玉ケ池は地図の右下に位置します。バス停がある大芝と畑宿入口はそれぞれ□で囲っている地点です。ドライブコースですのでおなじみの道ですが、素通りされる方がほとんどです。なお、箱根旧街道はお玉ケ池の下を横に走る細い道です。