冬の愉しみの一つに、ふぐのひれ酒が挙げられます。ひれ酒を美味しく飲むには、次の5つのポイントに留意しましょう。一番目は、鰭はきつね色になるまで弱火でしっかり時間をかけて焼くことです。表面にぷつぷつと気泡のようなものが出てくるまで炙ります。オーブントースターにアルミホイルを敷いて焼く方法が簡単でお薦めです。二番目は、お酒の温度を熱めにすることです。熱燗は60度前後ですが、75~80度の超熱燗にします。日本酒が70度以上にならないと、鰭に含まれるアミノ酸などの旨味は染み出さないからです。三番目は、日本酒の選び方です。ひれ酒には純米酒よりも本醸造の方が、辛口よりも甘口の方が鰭の旨味をより味わえます。四番目は飲む前にアルコールを飛ばすことです。焼いた鰭1~2枚を日本酒に浸し、3分ほど小皿やアルミホイルで蓋をして蒸らします。蒸らした後、蓋を取る瞬間に火を近づけて表面から気化するアルコールを飛ばします。これにより超熱燗でもむせることなく飲みやすくなります。5番目は、鰭の選び方です。ふぐにはショウサイフグ(潮際河豚)のように皮膚にも毒があるものがあります。ネット通販でとらふぐの鰭が販売されていますので、自ら釣ったものではなく必ず専門店から購入しましょう。今夜も旧友と2年振りに、次酒を3杯お替りしてひれ酒を心行くまで愉しみました。

屋    号:岩亀本店

住    所:横浜市西区戸部町5丁目177番地

電話番号:045-231-7683

営業時間:17時半~22時

定 休 日:日曜日・祭日

最寄り駅:京浜急行戸部駅 徒歩10分(横浜駅東口からタクシーのご利用がお薦めです。)

≪本日のお献立≫ 今回も大将に無理を言って、解説していただきました。

【プロローグ】店頭で鰭が干されています。左党にとっては主役です。

【前菜】 「自家製の胡麻豆腐、春野菜のうるい、車えび。胡麻豆腐の上には相性の良い雲丹をのせました。食感と香りを意識して仕立てました。」

【お椀】 「大洗の蛤と蕨、玉子豆腐です。ひな祭りも近くなり、蛤の状態が良くなってきたのでお椀にしました。」

【本日の主役】この季節はひれ酒が何よりのご馳走です。

【お造り①】 「ふぐ屋なので外せませんね。宮崎日向灘の虎ふぐを刺身と湯引き、煮こごり、皮と共に一皿にまとめてみました。」

【お造り②】 「もう一皿はインドまぐろを浜名湖の海苔醤油でしたてました。」

【揚げ物】 「宮城の生牡蠣を春巻きに、春の恵みのタラの芽と蕗の薹を添えました。」

【焼き物】 「和牛の八幡巻と菜の花のお浸しです。ごぼうを柔らかく炊き上げて、和牛で巻きうなぎのたれをかけて焼き上げました。菜の花はシンプルにお浸しに。」

【焼き物②】 「菜の花はシンプルにお浸しに。」

【炊き合わせ】 「蕪の胡桃田楽、蓬ふ(ヨモギフ)、焼きゆばです。蕪は箸がスッと入るように、なおかつ形が崩れないことを意識して炊いてあります。見た目綺麗ですし。」

【お食事】 「うな重です。説明はないです。食材をいじらずに見えないところに手間を惜しまずに。これからも勉強しなくてはいけませんね。」

【デザート】 「柚子のシャーベット」