五感のクセ「優位感覚」とは
人には利き腕があるように、その人にとって使いやすい感覚(五感)があります。 それは、視覚・聴覚・身体感覚(触覚・味覚・嗅覚を含む身体の感覚)のどれかで、その人の「優位感覚」と呼びます。
この優位感覚は人それぞれ違うもので、各タイプの特徴を理解することによって、相手の心に響くコミュニケーションが可能になります。
ここで、各タイプの特徴と見分け方をご紹介しましょう。
「優位感覚」タイプの特徴と見分け方
たとえば、「山」の様子を思い浮かべてください。あなたは次のどれが思い浮かびましたか?
① 山や空や樹木の映像
② 鳥のさえずりや川のせせらぎ
③ 日差しの暖かさ、木々の温もり
上記の3つのうち、頭に浮かんだ内容が①なら、「視覚優位」タイプ。②なら「聴覚優位」タイプ。③なら「身体感覚優位」タイプの可能性が考えられます。
「優位感覚」に合わせた対応の仕方
では、ここでそれぞれの「優位感覚」のタイプに対しての対応の仕方をパソコンの販売を例にして見てみましょう。仮にあなたがパソコンの販売をしているとします。各タイプの特徴を踏まえ、それぞれのタイプに対してのアプローチの例をご紹介します。
《視覚優位タイプに対して》
「全体のスタイルと色をご覧戴けますでしょうか。このスタイリッシュなデザインと圧倒的な薄さ。外出先でさっと取り出して仕事することができます。」
《聴覚優位タイプに対して》
「このノートブックは動くパーツを持っていませんので動作音が非常に静かで、作業に集中することができます。」
《身体感覚優位タイプ》
「まずは、圧倒的な薄さと軽さを実現したノートブック。キーボードの操作性も優れ、マルチタッチを使用することで直感的に操作することができます。」
「優位感覚」を活用してコミュニケーション力を高める
これらの優位感覚タイプの違いを意識することで、相手に伝わる話し方や心に響くコミュニケーションを取ることができるようになります。
弁舌の達人たちの多くは、意識をしてこの手法を取り入れています。アメリカ大統領選も真っ盛りです。候補者の演説を見ていると、演説の中には、視覚・聴覚・身体感覚の各タイプに響く言葉がちりばめられています。
人はそれぞれ自分の「優位感覚」を通して、独自のやり方で自分の周囲の世界を認識しています。優位感覚を理解することで、人によって異なる固有の世界観(メンタルモデル)を知る糸口にもなり得ることでしょう。