目の前の仕事に追われると、経営方針や行動指針を見失いがちとなります。約40年間追い続けてきた稲盛和夫氏の名言を写経のごとく30選を纏めてみました。目で追うより書くことにより、より言葉の重さが伝わります。ビジネス誌による特集では、直接薫陶を受けて来られた方々のインタビュー記事が数多く掲載されています。

  1. リーダーの行為、態度、姿勢は、それが善であれ悪であれ、本人一人にとどまらず、集団全体の野火のように拡散する。集団、それはリーダーを映す鏡なのである。
  2. リーダーは、常に謙虚でなければならない。謙虚なリーダーだけが、協調性ある集団を築き、その集団を調和のとれた永続する成功に導くことができる。
  3. 常に「原理原則」に基づいて判断し、行動しなければなりません。常日頃より、「原理原則」に基づいた判断をしていれば、どんな局面でも迷うことはありません。「原理原則」に基づくということは、人間社会の道徳、倫理といわれるものを基準として、人間として正しいものを、正しいままに貫いていこうということです。
  4. 成功に近道などあり得ない。情熱を持ち続け、生真面目に地道な努力を続ける。このいかにも愚直な方法が、じつは成功をもたらす王道なのである。
  5. 人生の明暗を分かつものは、運不運ではなく、心の持ちようだ。栗しいときにこそ、明るい希望を失ってはならない。また、成功した時こそ、感謝の心、謙虚な心を忘れてはならない。
  6. 利益を追うのではなく、利益は後からついてくる。
  7. 「素直な心」「熱意」「努力」といった言葉は、あまりにもプリミティブなために、誰も気に留めない。しかし、そういう単純な原理こそが人生を決めていくポイントなのだ。
  8. つまらないように見える仕事でも、粘り強く続けることができる。その「継続する力」こそが、仕事を成功に導き、人生を価値あるものにすることができる、真の「能力」なのです。
  9. 美しい心を持ち、夢を抱き、懸命に誰にも負けない努力を重ねる人に、神はあたかも行く先を照らす松明を与えるかのように「知恵の蔵」から一筋の光明を授けてくれるのではないでしょうか。
  10. 人生はつまるところ、「一瞬一瞬の積み重ね」に他なりません。今この一秒の集積が一日となり、その一日の積み重ねが、一週間、一ケ月、一年、そしてその人の一生となっていくのです。
  11. 一歩一歩の積み重ねの結果は、相乗作用を引き起こしていくのです。つまり、日々の地道な努力が生む小さな成果は、さらなる努力と成果を呼び、その連鎖はいつの間にか信じられないような高みまで、自らを運んでくれるのです。
  12. 完成品を作るには、九十九パーセントの努力では足りません。一つのミス、一つの妥協、一つの手抜きも許されない、百パーセントを目指す「パーフェクト」な取り組みがいつも要求されるのです。
  13. 経営における判断は、世間でいう筋の通ったもの、つまり「原理原則」に基づいたものでなければならない。我々が一般に持っている倫理観、モラルに反するようなものでは、うまくいくはずがない。
  14. 新しい事業を始める際に、もっとも重要だと考えていることがあります。それは、自らに「動機善なりや私心なかりしか」と問うことです。言い換えれば、そのプロジェクトを始める理由が、利己的な動機ではなく、善意に基づくものであることを確認することです。
  15. どうしてもこうでなければならない、こうしたいという、強い意志が経営者には必要なのである。
  16. 夢を持つことを忘れて名なりません。大胆になるのです。夢に酔うことは決して罪悪ではありません。
  17. 高く自らを導いていこうとするならば、あえて障壁に立ち向かっていかなければならない。その際、一番の障壁は、安逸を求める自分自身の心だ。そのような自分自身に打ち勝つことにより、障壁を克服し、卓越した成果をあげることができる。
  18. 土俵の真ん中で相撲をとるべきだ。余裕が十分あるうちから危機感を持ち、必要な行動を起こさなければならない。これが安定した事業を行う秘訣だ。
  19. バカな奴は単純なことを複雑に考える。普通の奴は複雑なことを複雑に考える。賢い奴は複雑なことを単純に考える。
  20. 順境なら「よし」。逆境なら「なおよし」。自分の環境、境遇を前向きにとらえ、いかなるときでも、努力を重ね、懸命に働き続けることが大切なのです。
  21. 私の成功の理由は才能は不足していたかもしれないが、人間として正しいことを追及するという、単純な、しかし力強い指針があったということです。
  22. 神が手を差し伸べたくなるぐらいまでがんばれ。
  23. 思いは必ず実現する。それは、人が「どうしてもこうありたい」と強く願えば、その思いが必ずその人の行動となって現れ、実現する方向に自ずから向うからです。
  24. どんな仕事でも喜んで引き受けて下さい。やりたくない仕事でも、意に沿わない仕事でも、あなたを磨き強くする力を秘めているからです。
  25. 「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」ことが物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。
  26. 感謝の心が幸福の呼び水なら、素直な心は進歩の親であるかもしれません。
  27. 常に明るさを失わず努力する人には、神はちゃんと未来を準備してくれます。
  28. 部下を叱ればいいというものではないし、褒めればいいというものでもない。経営者の目的は、組織を正常に機能させること。そのためには優しさと厳しさの両面が必要だ。
  29. 「思う」ということは、人間のすべての行動に源となっている。経営者が何かを強く心に「思う」と、まさにそのことが実現していく。
  30. どんな分野でも成功する人は、自分のやっていることに無上の喜びを感じ、惚れ込んでいる人だけです。自分の仕事に惚れなければ、絶対に成功しません。素晴らしい仕事などできるわけがないのです。