(1)ゴルフ場利用税とは

「ゴルフ場利用税」とは、ゴルフコースを利用する場合に、1日当たり定額で課税される税金です。税収の3割が都道府県の収入、残り7割が市区町村に交付されます。税額は総務省によって定められており、標準税額は1日800円(制限税額は1,200円)です。実際には都道府県ごとに等級と金額が制定されています。東京都は1等級(1,200円)~8等級(400円)、神奈川県は1等級(1,200円)~4等級(400円)、千葉県は1等級(1,200円)~12等級(350円)等、かなりばらつきがあります。

(2)ゴルフ場利用税の履歴

「ゴルフ場利用税」は、昭和28年に「娯楽施設利用税」として制定されました。ゴルフ場以外にも、ボウリング場・パチンコ・マージャン・ビリヤード等の施設が課税対象でした。昭和64年に消費税の導入に際して、「娯楽施設利用税」は廃止されましたが、ゴルフ場だけは「ゴルフ場利用税」と税目を変えて存続しています。

(3)ゴルフ場利用税の課税理由とは?

「ゴルフ場利用税」は、応益税・ぜいたく税・地方財源の確保という3つの観点から課税されているといわれています。

  • 応益税

ゴルフ場の開発や整備に係る費用は、行政サービスという側面があり、その負担を実際に使用するゴルフ場利用者に負担してもらう。

  • ぜいたく税

ゴルフ場の利用料は他のスポーツに比して高額であり、利用者には十分な担税力があるという考えに基づくもの。

  • 地方財源の確保

都道府県や市区町村にとって貴重な財源となっておりもはや必要不可欠である。

(4)ゴルフ場利用税の撤廃運動の行方

「ゴルフ場利用税」は、ゴルフ場利用料に対する消費税と二重課税であるという議論が続いています。平成11年にゴルフが国体の正式種目となったことを契機に、撤廃運動が大きく動き出しました。平成14年の税政調査会において一部の非課税枠(障碍者・18歳未満・70歳以上)が導入されました。ゴルフ場利用税の撤廃は、文部科学省が平成25年から8年連続で要望しましたが、地方財源の確保を主張する総務省の主張を崩すことができず、令和3年に文部科学省は廃止から非課税対象者の拡大に切り替えました。ゴルフ場利用税は当面存続する方向性にあります。

(5)会計処理上の留意点

「ゴルフ場利用税」は消費税の非課税です。ゴルフ場ごとに税額は異なります。ゴルフ場発行の領収書には、ゴルフ場利用税が明記されていますが、クレジットカードの利用明細しか手元にない場合には、ネット検索してゴルフ利用税を把握して、ゴルフ場利用料と区分して経理する必要があることに留意して下さい。(税務調査での指摘事項にもなります)

【東海自然歩道(東京~大阪)】

「東海自然歩道」は東京の「明治の森高尾国定公園」から大阪の「明治の森箕面国定公園」まで四季を通じてハイキングが楽しめるよう整備された現代版の「東海道五十三次」で、11都府県のま跨り、総延長は1,734kmに及びます。今回は、山梨県忍野村の爽やかな早朝です。