“師走の株式相場に福宿る”という意味ではありません。個人の所得税計算は暦年ですので、12月に一括して支出できるものがあれば資金効率を結果として引き上げることができます。また、12月はボーナス時期でもありますので、多少資金に余裕はあるでしょう。年末調整で少しでも所得税の還付を多く受ける工夫は、意外に見過ごされていますので、敢えてご提案いたします。

生命保険は、12月の年払いに切り替えれば保険料の割引もありますし、投資効果も引き上がります。特に、個人年金を活用されている方はまだ限定的です。厚生年金だけでは老後資金が不足しますので、最低月1万円程度は加入すべきです。

個人事業主の方や中小企業の経営者の方は、ご自身の退職金準備として小規模企業共済の加入をお奨めしていますが、その加入時期も11月か12月が良いでしょう。こちらも年払いとして、掛金の変更もこの時期に行います。

一方、注意していただきたいのは歯科診療です。暮から正月明けにかけて大きな治療を行った結果、支払が2年に跨って結果として医療費がそれぞれの年で10師走2万円未満となり、医療費控除を受けられなかった事例があります。日程的に無理そうで、かつ多少痛みを我慢できる場合には、正月明けから診察を受けて下さい。