ポーラ美術館は、印象派絵画の収蔵が日本最大級で、美術品全体では10,000点にも及びます。ポーラ化粧品創業家2代目であった鈴木常司氏が数十年に渡って収集した美術品を展示するため、「箱根の自然と美術の共生」のコンセプトのもと、2002年9月に開館しました。西洋絵画のコレクションにはモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ピカソなどの作品も含みます。欧州のように写真撮影が可能な作品が非常に多く、展示企画は非常に工夫されたものとなっています。学芸員の方々も各展示室に配されており、丁寧な説明を受けることができます。2013年にはブナやヒメシャラが見られる遊歩道を設置し、屋外に現代彫刻が20点展示されています。森の遊歩道もゆっくりと歩きたいので雨の日を避けられることをお薦めします。 

名   称:ポーラ美術館

住   所:足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

電話番号:0460-84-2111

開館時間:9時~17時(入館は16時半まで)

休  館  日:展示替えのため臨時休館がありますので、HPでご確認下さい。

【プロローグ】 公式HPの写真に比して木々の生長により、エントランスがかなり見え難くなっています。山の中に突然現代的な建造物が現れ、非日常を感じます。

【吹き抜け】 傾斜地に建設されたため、展示室は地下1階と2階へと下りていきます。

【クロード・モネ 花咲く堤アルジャントゥイユ】 モネが晩年まで暮らしたセーヌ河沿いの町アルジャントゥイユの産業化とダリアの花咲く緑の草むらとを対比させます。

【画面左:稀代の写真家ティルマンスの青い布、画面中央:ドラクロア ペルシアの王の贈り物を拒絶するヒッポクラテス】

【サルバドール・ダリ 姿の見えない眠る人、馬、獅子】 横たわる顔のない裸婦の身体は、獰猛な獅子や馬の姿と溶け合い、地平線の上下では雲と岩が奇妙な鏡像をなします。

【アブデルカデル・バンシャンマが敬愛するギュスターヴ・クールベ 岩のある風景】 クールベの故郷であるフランス東部のフランシュ=コンテ地方の風景画を数多く制作しました。これはピュイ=イワール峡谷の奇岩を描いたもの。バンシャンマの黒インクによる変化に富む光と影の襞。

【渡辺豊 ポートレート】 ピカソの「キュビスム」を想起させるポートレート。

【パブロ・ピカソ 新聞とグラスとタバコの箱と磯谷博史の写真】 タバコと新聞紙と酒のグラスはピカソの生活と創作に欠かせないパートナーたち。タバコのパッケージのシンボルカラーである白が写真の額に塗られています。

【オリヴァー・ビア】 古今東西のさまざまな器にマイクを設置し、それらの内側で反響する音を増幅して音楽を生み出します。

【森の遊歩道】 土地の自然性を評価する指標として「自然度」があり、美術館周辺は“8”と高い評点です。正面の淡い赤褐色の幹はヒメシャラです。

【アイ・ウェイウェイ 鉄樹根】 中国の現代美術家アイ・ウェイウェイによる彫刻。風景と同化して見逃しそう。

【坂東優 生と生】 北海道在住の現代彫刻家坂東優によるオブジェ。光と影によって見え方が変わります。