(1)資本性ローンの商品特性
「資本性ローン」とは、金融機関からの10年の長期借入金のうち、返済期限までは支払利息のみの支払で、元本は返済期限に一括返済するのが特徴です。財務諸表分析における特徴としては、元本の返済が返済期限までないことから資本金の一部として取り扱われます。また、繋ぎ融資の適用も受けられないので、返済時には自らの預金口座からの返済が必要です。一旦、返済すれば改めて「資本性ローン」の調達は可能です。しかしながら、将来予測できない10年後での一括返済が求められるので、通常の企業の資金調達には向きません。

(2)社債との組合せ
売上高か10〜15億円程度まで企業が伸長すると、通常の借入金に加えて、メインバンクが社債の引き受け手となることがあります。社債は5〜10年間に渡り社債利息の支払のみで、返済期限に一括返済します。手数料が掛かりますが、社債発行できる企業は限定的で、プレゼンスを引き上げる効果が大きいので、広く利用されています。実際に社債発行会社は、事業の拡張に伴い通常の証書借入に加えて第2号、第3号と相次いで社債を発行しています。このように、借入金以外の資金調達方法を選択できる企業は、「資本性ローン」と社債とを組み合わせて、返済期限に合わせて別の金融商品を使って超長期の資金調達を実現しています。「資本性ローン」とは、資金調達において複数の金融商品の組み合わせができる企業が利用できる金融商品です。

(3)選択すべき方法
社債は、資金調達の多様化には効果を示しますが、社債発行手数料が高いので調達コストが上昇します。固定金利であるので金利上昇局面では強みを発揮します。「資本性ローン」は、前述の通り複数の資金調達の選択が可能である企業だけが採用できる金融商品です。総合的に見ますと、伝統的な証書借入金は、機動性に富むので中小企業の資金調達手段としては最善と考えます。複数の金融商品の選択でお悩みの場合はご相談下さい。

≪花見山公園(福島市)≫ 花卉園芸農家の私有地で、故秋山庄太郎先生も毎年訪れていた花の名所です。トウカイサクラ・ヒガンザクラ・レンギョウ・ボケ・ハナモモなど約70種類もの花々が一斉に咲きます。遠くに吾妻連峰が望める絶景ポイントに是非足をお運び下さい。