まだまだ厳しい寒さが続く2月は、徐々に春を感じ始める時期でもあります。春野菜の代表格は、筍・春キャベツ・菜の花・新たまねぎ・新じゃがいも・蕗の薹・タラの芽・つくし・うど・アスパラガス・スナップエンドウ・空豆・せり等が挙げられます。

さて、早堀り筍は、鹿児島南部(日置市・薩摩川内市・出水市・姶良市(あいらし))を主産地とし、実に10月下旬から出荷されます。春キャベツは、千葉県銚子市・愛知県田原市・神奈川県三浦市と大都市近郊での生産量が多いのが特徴です。菜の花は、千葉県産が69%を占め11月から4月までが出荷時期です。蕗の薹は、新潟・群馬・長野の3県で国内生産量の50%を占めます。山菜の王様とも呼ばれるタラの芽は山形県が36%を占め、新潟、群馬の3県で50%を超えます。空豆は関東地区では4月下旬から出荷されますが、生産量全国一位の鹿児島県指宿産は12月中旬から出荷されます。季節を感ずる野菜は、全国の農家さんの努力によって飲兵衛の口に届いています。

屋  号:岩亀本店

住  所:横浜市西区戸部町5丁目177番地

電話番号:045-231-7683

営業時間:17時半~22時

定 休 日:日曜日・祭日

最寄り駅:京浜急行戸部駅徒歩10分(横浜駅東口からタクシーのご利用がお薦めです)

≪献立≫今回も大将に会食後に心のこもった献立をお知らせいただきました。

【前菜】 車海老塩麴漬け、蒸し鮑、出始めの空豆、春菊の胡麻和え。本当は銚子の蛤を仕立てるつもりでしたが、雪の影響で良いものが入らず、鮑にさせていただきました。

【温物】 ふぐの焼き白子の茶碗蒸し。香りが良いので浜名湖の生の青海苔を餡掛けにしました。

【先鋒】山形県鶴岡市 榮光富士 辛口純米アスタリスク。酒米は山形の出羽の里を用いて、後味のすっきりとしたお造りに合う一杯。

【お造り】 まぐろ、下田の金目鯛、小柴の墨烏賊。お醤油と鯛の出汁塩で。

【次鋒】京都府伏見市 桃の滴 特別純米。奥行きのある濃醇な美味しさ。

【焼き物】 本牧の太刀魚、新筍と海老の挟み揚げ、蕗の薹、菜の花のいぶりがっこタルタルかけ。

【中堅】長野県松本市 大信州 純吟 手の内。無濾過の原酒をそのまま瓶詰して冷温貯蔵。香り豊かにつき、広目の飲み口のお猪口を。

【焚物】 蕪のゆず味噌田楽、あん肝と牡蠣の時雨煮。蕪は1時間ほど蒸し煮にして形を崩さないように炊きました。牡蠣とあん肝は提供する直前にサッと炊きました。

【大将】静岡県富士宮市 高砂 山廃純米辛口。爽やかな香りとふくよかな味わい。蒲焼のような強い肴にも負けません。

【酢の物】 宮崎日向灘の虎河豚湯引きです。うなぎの前なのでツマミにもなり、尚且つサッパリとして頂きたく仕立てました。薄造りとはまた違った食感で召し上がって頂ければと。

【お食事】 うな重です。

【甘い物】 林檎のコンポートと三浦の大粒イチゴ。