上場会社の株式を購入する場合には、払込金額のうち株数*額面金額50円が資本金を、残額は剰余金として区分処理されます。要は最初から払込金額が二つに分けて管理されています。
今回の減資とは、資本金を減らして剰余金を増やすことを意味し、株主の権利に変更はありません。既に、累積赤字で会社は痛んでおり、この減資を行うことによってさらに傷口が広がることはありません。但し、上場会社が存続のためになり振り構わず大規模な減資を行うことは、稀有なため株価は大きく切り 下がることはやむを得ません。

仮に、100%減資である場合には株主の権利を放棄し、株券は最近では日本航空のように紙くずとなります。 また、額面発行である中小企業においても99%超の減資は可能です。

32年前のシャープは、コピー機の拡販で大量の大学卒を採用しておりましたが、ノルマの厳しさから離職率が高く大学生の間では要注意企業の一つでした。その後はザウルス、液晶ビューカムのような独自性の強い製品で市場を賑わし、亀山モデルで大きな躍進を遂げましたが、極端な液晶への集中が経営を危うくしました。

カシオ計算機在職中は電卓戦争で意識し続けた企業で、銀行へ転じた日以降も動向は常に注視していましたので、今回の顛末には寂しい思いで一杯です。

減資