「預金通帳は何年程度保管すべきですか?」というお問い合わせをしばしばいただきます。預金通帳が必要となる場面は、「相続」です。現行の相続税法では、亡くなった日から過去3年間に行われた法定相続人に対する贈与財産は、その贈与が行われなかったものとして、ご遺産に加算して相続税を計算します(相続財産の持ち戻し)。従って、過去3年分の預金通帳は、相続税の申告書に添付して、贈与の有無を証明する必要があります。
ところで、この過去3年間の贈与を10年に延ばすことが検討されています。英独は、既に過去10年の贈与を相続財産に加算する方法が採用されています。米国は生前贈与財産の全てを相続財産に加算することとなっています。いわゆる国際間の租税乖離を是正する改正が検討されており、早ければ令和5年より施行される可能性があります。
仮に、税制改正された場合には、預金通帳の保存期間は10年を超えることとなります。因みに、金融機関で預金取引明細書の再交付を受ける場合、各行により手数料は異なりますが、1枚¥2,000以上要します。
10年分の通帳の分量は、引出一杯にはなりませんので、後で慌てることのないよう保管願います。
≪菅平高原の秋≫